日々の経験を元に、潅水ホースの用途別使い方をお伝え

目次

水やり

蛇口

露地栽培

ビニールハウス栽培

潅水ホースの種類

水やり

現在の農業では、新しい資材などを取り入れた方法で水やりをする農家、昔ながらのやり方で水やりをする農家、それぞれの農家が様々な方法で水やりを行っています。

例えば、目玉焼きを作るときと卵焼きを作るときにフライパンの種類を変えます。それは、作りやすさ=作業効率などが考えられると思います。

農業の場合でも同じです。育苗ステージ、栽培ステージによって、水やりの方法を変えています。

おおまかに2ステージに分けましたが、育苗ステージの中でも播種時の水やりと播種後1か月の水やりでは、おおきく異なります。

また丈夫な苗を作れるようになるまで、水やり3年と言われています。

土の状態や苗の状態、その日の天候、湿度などを見極めて水やりが出来る様になる年数です。

そこで少しでも早く効率よく水やりをマスターするにあたり色々なホースの種類や潅水場所に合ったホースの特徴をご紹介しますので参考にしてください。

蛇口

水ホースについての記事ですが、ホースとは切っても切れない関係の蛇口も大変重要です。

皆様のご家庭にある蛇口と農業用の蛇口は大きく異なります。それは、パイプの径の大きさと水量です。農業をされている方は、大切さが身に染みて感じていると思います。

農業では、ビニールハウス栽培や露地栽培があります。特に露地栽培では、水やりを行う面積が広く100m先の作物に水やりをすることも不思議な事ではありません。

水稲の栽培では、田に水を入れるときに家庭用のパイプ径で、田に水を溜めることは時間がかかりすぎて困難です。

そのため農業用の蛇口はパイプ径が大きく水量が強くなっておりますので、広さにもよりますが短時間で水を補給することが可能になっています。

100m先の作物まで広い面積にしっかりと水を与えられる農業用の給水口、蛇口も合わせて大変重要になっております。

露地栽培

露地栽培で水やりを行うにあたり、田に水を溜める場合と潅水ホースによって水を与える方法があります。今回は露地栽培に適している潅水ホースの種類と特徴を紹介します。

まずは先ほど蛇口のところでお伝えしました長さについて。一般的にホースの長さには2種類あります。

50mと100mがあり露地で使用する場合には、作業方法にもよりますが、長いものを使用している農家が多いです。

ちなみに南北に長い100mの圃場では南から50m北から50mと作業を分けて水やりをされる農家もいます。

一気に水やりをした方が良いのでは?…疑問もありますが、水の入ったホースを100m先まで引っ張ることが出来るか、など色々な問題もあります。

長さに関しては各農家さんの作業方法にて選定してください。

次にホースの重さについてですが、基本的に重いです。

まず水の圧力に耐えられる耐圧になっており、ホースを引っ張ることにより、砂地や小石があるなど様々な圃場条件の地面と擦れても傷みにくいように肉厚になっています。

距離が長い場合、軽いホースがありますので露地ではそちらを使用されることをおすすめします。

私の地域では、動力噴霧機を使用して水やりをしている農家が多いです。最近の動力噴霧機は、リモコンが付いていて100m先からホースを自動で送り出したり、巻き取ったりボタン一つで行うことが出来るので、大活躍しております。

ビニールハウス栽培

ビニールハウスでの潅水作業は、ほとんどの方が潅水チューブを使用しています。

噴霧や根元、頭上に肩、点滴など用途に合わせた様々な潅水チューブがあります。

野菜を育てる場合には、効率を考え潅水チューブでの潅水をおすすめしますが、苗を栽培するなど繊細な育苗作業の水やりには、やはり手潅水での作業が必須となります。

ビニールハウスでは長いホースはいらない。と思われた方…ビニールハウスも長さ100m

があります。しかし苗の育苗では100mハウスを使用されている方は少ないので露地栽培とは異なり短いホースを選びます。

育苗ハウスは、少しでも多くの苗数を育てたいので、ハウスにぎっしり苗を並べることが多く、柔軟性があるホースがおすすめです。

柔軟性がないと片面の水やりが終わり折り返した時にホースが苗を巻き込むことがあり、苗を痛めてしまう可能性があるので、要注意です。

そして、防藻性のホースも重宝されます。育苗ハウスでは、毎日…夏場などは1日2回水やりを行うことがあるので、水やりの度にホースを片付けたりしません。

そのため苗を見回るときに踏んだりしないように通路の端に置いたままにしますので、日当たりの良いハウス内では、直射日光が当たりホース内に残った水に藻が発生してしまいます。

藻を防ぐためにも防藻性のホースはおすすめです。

潅水ホースの種類

・スーパーソフトブラック:プロ園芸農家向けの肉厚な防藻・柔軟ホースです。

・パールホース:パールブルーの美観で弾性・耐寒に優れたソフトな肌触りの使いやすいホースです。

・マイティーホース:筋入りの外観で柔軟な割に腰が強く折れ曲がりにくいホースです。

・スーパーマイティー:補強糸を使用した耐圧・耐寒・防藻性に優れたホースです。

・マットホース:名前の通り艶消し・半透明茶色の外観で、腰のある弾性を有するホースです。

・農業用透明ホース:透明度が良く、冬でも硬くなりにくいソフトタイプのホースです。

各メーカーから出されている潅水ホースは防寒・防藻・柔軟性を有します。

一般的に手潅水ホースとして幅広く使用されているホースです。耐圧性がないホースもありますのでご注意ください。

いかがでしたでしょうか。潅水ホースについて参考になりましたでしょうか。

農業には正解がないと。よく耳にします。

日本には四季があり、毎年やってくる春が翌年の春と呼び名は同じでも、日照時間の少ない春や降雨量の多い春…など全く同じではございません。

同じ作物を栽培している隣同士の農家で作業方法も資材も異なります。

近隣の農家からも色々な情報を手に入れて、自分の作業効率に一番合うホースを探してみてはいかがでしょう。

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