潅水制御装置に使用する潅水チューブ・電磁弁を解説

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潅水制御装置は、水源の水を汲み上げる農業用ポンプ、水の流れを制御する電磁弁、水やり作業を実行する潅水チューブなど様々な設備で構成されています。その中でも、潅水チューブと電磁弁は、潅水の実行とタイミングを制御する役割から、特に重要な役割を果たすとされています。この記事では、潅水チューブと電磁弁の役割、種類、選び方について解説します。

目次

1.潅水チューブと電磁弁の役割

2、灌水チューブと電磁弁の種類

3.灌水チューブと電磁弁の選び方

4.まとめ

1.潅水チューブと電磁弁の役割

1)灌水チューブの役割

潅水チューブとは、等間隔に配列された数ミリ単位の小さい孔から潅水作業を行う農業用のホースのことを指します。

農作物の畝間に設置して株元に潅水するタイプの製品や土中に埋没して根の部分を潅水するタイプの製品などがあります。

潅水制御装置では、農作物への水やり作業を実行する役割を担います。

2)電磁弁の役割

電磁弁とは、電気の流れを利用して空気や水などの流体を制御する機器のことを指します。

電気エネルギーを機械運動に変換するソレノイド部と呼ばれる部分と流路の開閉を実行するバルブ部の2つで構成されています。

潅水制御装置では、潅水のタイミングを制御する役割を担います。

2.潅水チューブと電磁弁の種類

1)灌水チューブの種類

灌水チューブの種類は、孔のサイズや形状、配列、間隔、厚さなどで分けられます。

・孔のサイズ

孔のサイズは、0.1ミリ~0.8ミリ程度が一般的とされています。

水稲の育苗やホウレンソウ、シュウギクなどの軟弱野菜では0.2~0.3ミリ前後を、イチゴやメロン、スイカなどの果菜類では0.2~0.6ミリ前後を使用するのが適正だそうです。

・片面孔/両面孔

潅水チューブには、片面のみに孔が開いている製品と両面に孔が開いた製品の2種類があります。畝間の中心に設置して、片側のみ潅水したい場合は片面タイプを、両側に潅水したい場合は両面タイプを使用します。

・孔の形状

孔の形状は、〇孔タイプと✕孔タイプの2種類があります。✕孔タイプは、水が霧状に拡散しやすい特徴に加え、目詰まりが起こりにくいというメリットがあるようです。

・孔の配列/孔の間隔

孔の配列は、2つの孔が互い違いに配列された千鳥型を一般的としています。間隔については、水稲の育苗や野菜の栽培を例に、7.5~30センチ前後を適正としています。

・チューブの厚さ

チューブの厚さは、0.12~0.4ミリ前後を上限に、潅水方法や強度面を考慮した使い分けがされています。一般的には0.2ミリ前後の厚さを用いるケースが多いようです。

2)電磁弁の種類

電磁弁には、2方向電磁弁、3方向電磁弁、4方向電磁弁の3つの種類があります。

・2方向電磁弁

2方向電磁弁とは、入口と出口の2つの配管接続口を持った電磁弁のことで、水流の流止を制御する機能のみを備えています。

・3方向電磁弁

3方向電磁弁とは、供給ポート、シリンダポート、排気ポートの3つの配管接続口を持つ電磁弁ことで、水流の流止を制御する機能に加え、流路の方向を変換する機能を備えています。

・4方向電磁弁

4方向電磁弁とは、供給ポート、2つのシリンダポート、1~2つの排気ポートで構成された電磁弁のことで、水流の流止を制御する機能、流路の方向を変換する機能、圧力の供給を制御する機能の3つを備えています。

3.灌水チューブと電磁弁の選び方

1)灌水チューブの選び方

潅水チューブの選び方を考える上で、重要になってくるのが潅水方法の種類です。

潅水方法には、地表・点滴・頭上の3つの種類があります。

・地表潅水

地表潅水とは、農作物の畝間に潅水チューブを設置して潅水する方法です。ビニールハウスを使用した施設園芸や野菜の露地栽培など、多くの農業現場で用いられています。

・点滴潅水

点滴潅水とは、点滴のようなゆっくりとしたスピードで潅水する方法です。潅水チューブを地表に設置する方法と地中に埋没する方法の2つがあります。ムダの無い効率的な潅水が特徴です。

・頭上潅水

頭上潅水とは、ビニールハウスの天井部にノズル付きの潅水チューブを設置して潅水する方法です。専用のスプリンクラーを用いれば細かい霧状の水を放出することも可能です。

2)電磁弁の選び方

電磁弁の選び方を考える上で、重要になってくるのが灌水制御装置の選択です。

灌水制御装置には手動・遠隔・自動の3つの種類があります。

・手動灌水制御

手動潅水制御とは、潅水作業に関するすべての操作を手動で制御する装置のことを指します。潅水制御装置の中では、最もポピュラーな方法として知られています。

手動灌水制御を対象にした電磁弁には、水道用の部品である青銅製のバルブコックが付いた製品や、Bluetooth機能を搭載したタイマー式の製品などがあります。

どのタイプの電磁弁を使用するか?は、予算の都合や人員の数など農業経営の規模によって変わりますので、それぞれの状況に応じた製品を選択してみてください。

青銅製バルブコック付き電磁弁 マサル工業(株)「電磁弁RSV型」

http://www.masarukk.co.jp/agroforestry/electromagnetic-valve-rsv.html

Bluetooth機能付き電磁弁 (株)イーエス・ウォーターネット「自動散水タイマー」

https://www.es-waternet.co.jp/product/detail?id=694&SESSIDFRONT=0bf26a77cdd91ca5252677f254f9d471

・遠隔灌水制御

遠隔潅水制御とは、インターネットを利用して潅水を遠隔から制御する装置のことを指します。当社の遠隔潅水制御システム「SenSprout Pro 潅水制御システム」がこれに該当します。

「SenSprout Pro 潅水制御システム」は、灌水ゲートウェイ、潅水制御盤の2つで構成された潅水システムです。スマートフォン等のデバイスを使用して、電磁弁を含むすべての操作を遠隔から制御することが可能になります。

潅水制御システム SenSprout Pro 潅水制御システム

なお、SenSprout Pro 潅水制御システムではCKD(シーケーディ)株式会社のGSVという電磁弁を推奨しており、25mm口径と50mm口径に対応しております。

・自動灌水制御

自動潅水制御とは、IoT(Internet of Things)とAI(人工知能)を組み合わせた完全自動型の潅水システムです。株式会社ルートレック・ネットワークスが開発・提供するAI潅水施肥ロボット「ゼロアグリ(ZeRo.agri)」がこれに該当します。

セロアグリは、「土壌の保水力は粘土質か砂質かによって異なる」という性質を元に、48時間の準備潅水を行ったあと、AIシステムが圃場の土壌条件を認識して土壌水分量を一定に保つように潅水を制御します。

電磁弁を含むすべての操作をAIが判断・制御してくれるため、潅水作業に費やす時間を大幅に削減できるほか、品質と収量の安定化を図ることができます。

AI潅水施肥ロボット ゼロアグリ

https://www.zero-agri.jp/

4.まとめ

潅水チューブと電磁弁は、潅水制御装置の中でも特に重要な設備です。

潅水制御装置を使用した農作物の水やり作業を成功させるためには、適切な製品と規格を選択することが重要になります。潅水制御装置を導入する際には、ぜひこの記事を参考に検討を進めてみてください。最後まで読んで下さりありがとうございました。

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