ホームセンターで購入できる灌水機器・資材のまとめ

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目次

1. ホームセンターで潅水機器・潅水資材を購入しよう

2. ホームセンターで購入できる潅水機器・潅水資材

3. ホームセンターで購入できる潅水システムの部品

4. 潅水機器・潅水資材の選び方

5. 潅水機器・潅水資材の手入れ方法

1. ホームセンターで潅水機器・潅水資材を購入しよう

潅水機器や潅水資材を購入する手段として、ホームセンターやオンラインショップがあります。
ここでは、ホームセンターで購入できる潅水機器や潅水資材をご紹介します。

家庭や市民農園などで野菜栽培をする方や、育苗をする方向けに、ホームセンターでは潅水ホースやチューブ、水やりタイマー等を購入することができます。

潅水機器や潅水資材のような農業用資材を購入できるホームセンターとは、例えばコメリやナフコがあります。

コメリは、株式会社コメリが運営するホームセンターで、沖縄県を除く46都道府県1,197店舗(2020年3月期)あります。
全国に店舗があるので、ご存じの方も多いのではないでしょうか?

また、コメリにはオンラインショップKOMERI.COMもあり、店舗に行かずに農業資材を購入することができます。
オンラインショップで購入した場合、近くの店頭受け取りにすると送料が無料になるので、欲しいけど近くの店舗では販売していない商品の購入などにおすすめです。

ナフコは、株式会社ナフコが運営するホームセンターで、全国に359店舗(2020年6月期)展開しています。
福岡県北九州市に本社があり、九州・中国地方を中心に北は東北まで店舗エリアは拡大しています。
園芸用品に強く、農業者よりも家庭菜園をする人向けのホームセンターです。また、ナフコでもオンラインショップを運営しており、週末にはセールも頻繁に行っているようです。

潅水機器・潅水資材が重要なわけ

潅水機器・潅水資材が重要な理由は、①潅水の効率化が図れること、②農作物の安定生産につながること、③新規就農者でも比較的早く栽培体系を確立できることの3点があります。

①潅水の効率化が図れることとは、言葉の通り、潅水にかかる時間を短縮し、空いた時間で他の作業を進めることができます。手動でこれまで1日4時間かかっていた潅水が、機器・資材を活用することで、1日1時間未満に短縮できた事例もあります。それほど、潅水機器・潅水資材は、現代の農業には必需品で画期的な技術といえます。空いた時間で、これまでできなかった農業経営や栽培マニュアルの作成、JGAPなどの認証取得、販売戦略の立案や実行に動くことも可能です。

②農作物の安定生産につながることでは、潅水ムラなく農作物に水を与えることで、成長速度を一定させ、規格外品を減らすことで歩留まりの高い生産が可能になります。また、ムラのない潅水は農作物の病気・害虫の発生を抑制することにもつながり、コスト削減にも効果的です。潅水機器・潅水資材を一斉に揃えるには初期投資が必要ですが、長期的目線で考えるととてもメリットの大きい投資になります。農業は他の産業や業界に比べて投資回収に時間がかかることが特徴なので、長期的目線を持つ姿勢が大切です。

③新規就農者でも比較的早く栽培体系を確立できるという点において、自動潅水システムの導入はとても有効です。自動潅水システムでは、潅水の量やタイミングをシステムが指示してくれるので、初めからミスの少ない潅水ができます。また、日本は特に圃場が集約されておらず分散型の農業なので、離れた圃場の状態を確認するには移動コストがかかります。しかし、自動潅水システムを導入すると、離れた圃場の状態をクラウド上で確認・管理できるようになります。新規就農でいきなり自動潅水システム導入が金銭的に難しい方は、サブスクリプション型で比較的安価に導入することもできます。ぜひ検討してみてください。

2. ホームセンターで購入できる潅水機器・潅水資材

それでは、ホームセンターで購入できる潅水機器・資材について、商品例と一緒に詳しくご紹介します!
ホームセンターでは、潅水ホースや潅水チューブ、潅水制御機器、水やりタイマー等が購入できます。
主に、ホームセンターで購入できる潅水機器や潅水資材は、家庭菜園や育苗から栽培する生産者の方が購入されます。

散水ホース / フルカバーホースリール30m KPRQC-30

コメリで販売されている、カバー付きの散水ホースです。
カバーが直射日光を防いでくれるので、ホースの紫外線劣化や苔が生える等のトラブル防止に繋がります。
ノズルの水形はシャワー、フル、霧、ストレート、整流、広拡散、拡散、ストップの8パターンあります。
また、後ほどご紹介するホースノズルやコネクターは散水ホースを使うためには必要な部品なので、こちらも要チェックです!

仕様

自動散水制御機器 / CKD 自動散水制御機器 コントローラ

次にご紹介するのは、コメリで販売されているCKDの自動散水制御機器のコントローラです。
庭園や公園、ゴルフ場などの散水・潅水・給水の自動化に最適です。コントローラはアルカリ9V形乾電池1個で約1年間作動します。
散水時間は、1回あたり1分~9時間59分で調整することができ、1日の散水設定回数は2回です。
ホームセンターで購入できる自動潅水機器は農業だけでなく、公園の花壇やゴルフ場の芝生など様々な場面で利用できます。

仕様

水やりタイマー / 簡単水やりタイマースタンダードGTA111

ナフコやコメリで購入できる、takagi(たかぎ)の水やりタイマーをご紹介します。

蛇口に取り付けて時間設定などの簡単操作をするだけで、自動で水やりをすることができます。

電源に繋ぐ必要はなく、単4アルカリ電池4本だけで作動するので、家庭菜園や育苗をしている方で、どうしても決まった時間に水やりができないときに使用することをお勧めします!
水やり間隔は1日1~2回や1~7日おきに散水など設定ができ、水やり時刻は1時間刻み、水やり時間は1~10(1分刻み)10~30分(5分刻み)30~90分(10分刻み)に設定できます。

仕様

3. ホームセンターで購入できる潅水システムの部品

次にご紹介するのは、コメリやナフコなどのホームセンターで購入できる潅水システムの部品です。潅水システムの部品は、ホースノズルやホース、スプリンクラーヘッド、ゴムリング、コネクター、留め金など細かなものが様々あります。
ここでは、ホースノズルとスプリンクラーヘッド、コネクターについてご紹介します!

ホースノズル / パチットノズルファイブ裸ミクロスクリーン(FJ)

ここでご紹介するのは、散水ホースの先端に付けて使うタカギのホースノズルです。先端のヘッド部分を回転させることで、水を直線に出したり、霧状に出したり調整できます。
ホースノズルの交換が必要になるのは、水を出す・止めるために握る部分の劣化が主な原因です。

仕様

スプリンクラーヘッド / トリプルアームスプリンクラーFJE QG199FJE

スプリンクラーヘッドとは、水の出る部分に取り付ける部品で、3つの羽が回ることで均一に散水されます。
芝生や庭木の散水に最適で、半径2~11mで円形に散水することができます。
このスプリンクラーヘッドが対応しているのは、糸入り耐圧ホース(内径12-15mm/外径21mm)です。

仕様

コネクター / L型コネクターL

ホースのコネクターとは、蛇口とホースをつなぐ部分に使用する部品で、L字型のコネクターや三又のコネクターもあります。
ホースを直接蛇口に着けるのホースの口が劣化しやすくもなりますので、コネクターを使用することをお勧めします。
また、蛇口をホース以外に使用したい場合は、三又のコネクターを使用することで蛇口を3つに分岐させることができます。

仕様

4. 潅水機器・潅水資材の選び方

次にご紹介するのは、作物別の潅水機器・潅水資材の選び方です。潅水機器・潅水資材は、作物とその栽培方法を基準に選びます。潅水資材の中でも、特に潅水ホースは作物と栽培方法によって異なりますので、下記の切り口からホースを中心にご紹介します。ここで紹介するホースもホームセンター(またはオンラインショップ)で購入できるホースです。

  1. 露地栽培の野菜(葉菜類、根菜類)
  2. ビニールハウス栽培の野菜
  3. マルチ栽培の野菜(葉菜類、根菜類、果菜類)
  4. 果樹栽培

露地栽培の野菜(葉菜類、根菜類)

露地栽培では、地表潅水が一般的な方法です。潅水機器・資材を選ぶ時のポイントとして、①ホースが高耐性素材であるか、また②収納がしやすいか、この2点が重要となります。散水幅や精密な散水ができるかは、栽培方法や作物によらず重要ですが、この2点は屋外で機器・資材を使用するため、選ぶときにチェックしたいポイントです。①の高耐性素材とは特殊ポリエチレンや加工が施されたもので、雨風にあたっても老朽化しない素材を選びましょう。②については冬になると資材は収納するので、施工や収納がしやすいタイプを選びましょう。

スミサンスイR露地ワイド

https://www.sumika-agrotech.com/irrigation/products/spray/sumi_sansui_r_roji_wide/

特徴

・10m以上の飛び幅

・省力化に特化した機能性

・潅水孔を新たなパターンで配列

・長尺ながらも均一な散布を実現 ・特殊ポリエチレン製による高耐性

ビニールハウス栽培の野菜

ビニールハウスでは、葉物野菜の他にアスパラガスも栽培されます。ビニールハウスで用いられる潅水方法には、地表潅水、点滴潅水、頭上潅水があります。畝間にホースを設置して潅水する地表潅水や点滴潅水では、水が出る孔が開いたホースを用い、水圧によって潅水幅を調整します。頭上潅水は、ビニールハウスの高所にホースを設置するので、固定するための資材が必要になります。また、地表潅水のホースと違いミスト状に潅水を行うので、孔が細かいホースを選びます。

スミサンスイ-M/M-03

https://www.sumika-agrotech.com/irrigation/products/spray/sumi_sansui_m/

特徴

・長尺ながらも均一な散布を実現

・霧状散布による全面潅水

・圧力調整機能付き(地表・点滴・頭上いずれも可)

・目詰まりの軽減

・特殊ポリエチレン製による高耐性

マルチ栽培の野菜(葉菜類、根菜類、果菜類)

マルチ栽培では、マルチの下にホースを通して水平潅水を行います。散水時の葉への土はね防止にも繋がり、水が低く横方向に飛ぶように散水孔が設置されたホースを選びましょう。マルチ用ホースの代表的な製品は、「スミサンスイNEWマルチ60/100/100-03」で、散水孔のピッチも細かく設計され、高精度の散水ができます。

スミサンスイNEWマルチ60 100/100-03

https://www.sumika-agrotech.com/irrigation/products/horizontal/sumi_sansui_new_multi/

特徴

・花木やイチゴの栽培に適した孔間隔

・マルチ下の潅水に最適な水平散水

・葉への飛散防止(病気予防)

・マルチなし栽培にも使用可

・幅広い作物に対応(葉菜類や根菜類、イチゴやメロンなど)

果樹栽培

果樹栽培では、潅水ホースが果樹の種類によって異なり、リンゴやモモに特化した「スミサンスイR横とび」やナシやブドウに特化した「ミストエース20果樹」などがあります。どちらも1~3mの散水幅があることが特徴で、ナシやブドウ用は果樹棚でホースを吊り上げられるように専用のハンガーを設置します。また、こちらも屋外で使用するので、特殊ポリエチレンなどの高耐性素材のタイプがおすすめです。

スミチューブ果菜イチゴ・スイカ/メロン

https://www.sumika-agrotech.com/irrigation/products/horizontal/sumi_tube_kasai/

特徴

・イチゴやスイカ、メロン、果菜類に特化

・孔径やピッチなど作物別の仕様を展開

・優れた均一性

・目詰まりの軽減

・マルチの破損を防止

5. 潅水機器・潅水資材の手入れ方法

最後に具体的に潅水機器・資材の正しいメンテナンス方法をご紹介します。

潅水システムの導入サービスを利用して、ビニールハウス栽培や露地栽培を大規模に行う場合には、システムもそれなりに大規模になります。

このような場合には、潅水システムの導入サービス内にメンテナンスサービスが組み込まれていることもありますが、そうでなくともメンテナンス内容を事前に把握しておくことが重要です。
この具体的なメンテナンス内容は、①潅水ホースの清掃②季節に合わせた潅水タイマーの設定 ③タイマーの動作確認 ④排水溝、ドレンホース周りの清掃の3つがメインです。
それぞれどのようなことをするのかご紹介します。

①潅水ホースの清掃

潅水ホースは湿気の多い時期や潅水が毎日ではなく数日に1回の時期に、ホースの中に藻が生えたり、カビが生えたりすることがあります。そうなると水が出なくなりますので、除去する必要が出てきます。藻やカビは1箇所出るとすぐに周りに広がってしまいますので、少しでも発生している部分があればすぐにブラシなどで除去しましよう。液肥潅水をした後は特に発生しやすいので注意してください。

②季節に合わせた潅水タイマーの設定

潅水システムはIT技術の発達によって、潅水時間を事前に設定しておけば、どこにいても遠隔で潅水できるようになりました。
近年では、この潅水予約設定をスマートフォン一つで行えるようになり、難しい取扱説明書を読み解く必要もありません。
そのため潅水タイマーは、自分でもメンテナンス・設定することができます。

また、AIなどを利用する自動潅水システムを導入すれば、これまで1日4~5時間かかっていた潅水も、ほとんど時間をかけずに自動的にこまめに潅水することができるようになります。
夏は頻度を高め、冬は潅水頻度を少なくするのが一般的ですが、栽培環境や栽培作物によっても異なりますので、自分の農場に合ったメンテナンス・設定を行ってください。

③タイマーの動作確認

タイマーの動作確認とは、設定した時間に散水されているかどうかを目視することでできます。
もし、設定した時間に潅水されない、ずれた時間に潅水されるなどの問題があった場合は、設備やシステムに不具合があります。
どこに不具合があるかが分からなかったら、無理せずすぐにメーカーに問い合わせましょう。
また、いつも通り散水されなかった場合は、ホースに穴が開いているかホースがねじれている等のホースに問題がないかを確認しましょう。
ホースに不具合がなかったら、設備やシステムに不具合がありますので、メーカーに問い合わせることをお勧めします。

④排水溝、ドレンホース周りの清掃

ドレンホースとは、潅水設備やエアコンなどを稼働している時に、設備の中に溜まった排水を外の排水溝に届けるホースのことです。

常に水に触れていて、屋外に設置されたホースは、腐食したり苔が生えたりしてしまいます。

また、最初にご紹介したように伸び放題になった植物がホースに巻き付いてしまい、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。 そのため、ドレンホース周りは年に数回清掃することをお勧めします。

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