目次
1.現代の天気予報の精度
2.農業における天気予報の重要性
3.天気予報を活用した自動潅水とは
現在の天気予報の精度
植物の栽培において、日々の気温や降水量は成長に影響を与える環境要因です。積算気温によって、植物の生育ステージが進行したり、降水(天水)によって土壌水分を補給したり、植物の成長に直接影響を与えるからです。
また、近年では、局地的な豪雨や大型台風の日本上陸など、自然災害が農業に与える影響も酷くなっています。そのため、農家の方にとっては高精度な天気予報が重要です。
気象庁が発表する天気予報は、予測技術の発達により、年々その精度が上がっています。衛生から送られてくる雨雲のデータからは、15分刻みのピンポイントで雨予測ができるようになりました。また気象庁では、天気予報をする中でその精度も記録・発表しています。
2019年1月時点の降水の有無の的中率は約87%、最高気温の予報誤差は約1.5℃と高精度になっています。今後も予報精度が高まり、地域・時間ともにピンポイントで天気が分かるようになってくるのではないでしょうか?そうなると、農業においても日々の管理作業や自然災害に対する対策も、より的確にできるようになります。
ここからは、農業における天気予報の重要性や天気予報を活用した自動潅水について紹介していきます。
農業における天気予報の重要性
まずは、農業における天気予報の重要性をご紹介します。
農業では、高温や低音、長雨、日照不足など気象に起因する災害が数多くあります。また、近年では異常気象と言われて九州豪雨や大型台風の上陸なども注目されています。これらの気象条件は、農作物の病虫害発生や収穫量の低下などに悪影響を及ぼします。そのため、農家の方は、気象庁が発表する日々の天気予報を見ながら肥料散布や潅水などの作業計画を立てます。
また、同じ日本でも各エリアで気象条件が異なります。そこで気象庁では、各エリアで「それぞれの災害が発生しやすい条件」や「どのように情報がいつ発表されるか」などを公表しています。
このような天気予報が気になる栽培方法は、やはり自然の影響を受けやすい露地栽培です。肥料を播くタイミング、種を播くタイミング、潅水量などが天気によって変化するためです。一方、ビニールハウス栽培では、全く影響がないわけではなく、気温や降水量、霜などが日々の栽培管理に影響してきます。自然を相手にする農業では、より正確な天気の情報を得ることが大切です。
様々な気象情報の取得方法
気象情報は様々な伝達方法で農業従事者に伝達されます。各都道府県でホームページへの掲載やTELやFAX、メール、など様々です。都道府県によっては気象情報の見方、判断の仕方を解説するような講習会を開いているところもあります。
また、茨城県や栃木県、長野県では情報を電子メールで直接送付する取り組みを実施しています。
・茨城県「地域気象情報提供システム」
「落雷・降雹」「降霜」「たつ巻」「大雨警報」「大雪警報」などの可能性が高くなった場合、が直接携帯にメールが送られます。
・栃木県「とちぎ農業防災メール」
農作物への技術対策情報が送られます。
・長野県「チェック!ながの県農業サポートメール」
災害情報や未然対策情報が県から農業従事者にメールで送られます。
このように天気予報を含めた気象情報は、取得方法や掲載場所が様々あります。また、都道府県ごとに独自の情報伝達の取り組みを行なっているところもありますので、是非一度チェックしてみてください。
天気予報を活用した自動潅水とは
ここまでは、現代の天気予報の精度や天気に関する情報を取得する方法、農業における天気予報の重要性についてご紹介してきました。
次に、天気予報を活用した自動潅水の方法についてです。栽培環境として、ビニールハウス栽培と露地栽培があるので、それぞれ分けてご紹介します。
まず、雨の日は湿度が上昇するため、潅水回数を減らすことも有効です。 また、冬場のビニールハウスでは積雪によって、地面とハウスの骨組みの接触面(側部)が凍結する恐れがあります。天気予報をみて、積雪が数十cmになりそうなときは自動潅水で側部に散水を行い、融雪しましょう。気温が低くなる日の前日は、ビニールハウスの天井に水をかけないようにすることも大切です。天井が濡れてしまうと、ビニール部分が凍結して、破れる恐れがあるためです。
まず、雨の日は湿度が上昇するため、潅水回数を減らす必要があります。また、冬場のビニールハウスでは積雪によって、地面とハウスの骨組みの接触面(側部)が凍結する恐れがあります。天気予報をみて、積雪が数十cmになりそうなときは自動潅水で側部に散水を行い、融雪しましょう。気温が低くなる日の前日は、ビニールハウスの天井に水をかけないようにすることも大切です。天井が濡れてしまうと、ビニール部分が凍結して、破れる恐れがあるためです。
次に、露地栽培における天気予報を活用した自動潅水についてです。露地栽培の場合、降水だけでは補えない土壌水分を潅水で行います。そのため、週間天気などをみて、1週間の潅水計画を立てることがおすすめです。また、栽培土壌の土性(土の化学的な性質)によって、保水力が異なります。保水力のない土壌の場合、降水量によっては追加で潅水する必要も出てきます。週間天気予報と降水量、土壌の性質を調べてバランス良く水やりしましょう。
気象協会公式の無料天気アプリ
天気予報などの気象情報を収集する手段は先ほどご紹介しましたが、そのほかに、近年では天候アプリを活用する人が増えています。精度の高い気象情報を無料で提供しているアプリもあるので、ぜひ活用してみてください。
・そら案内
衛星の天気図やアメダスの降水量などの他に、ナウキャストと言って、短時間の高解像度降水予報も提供しています。
農作業前にチェックしておくと、急な雨も事前に予測することができます。
・Yahoo!天気
https://weather.yahoo.co.jp/weather/promo/app/
Yahoo!が提供する天気予報アプリで、Yahoo IDでログインすると様々な機能が使えてとても便利です。雨雲レーダーによって、15時間先の天気図も確認できたり、台風の進路予測や雷の発生確率が分かる雷レーダーもおすすめです。
有料のものも入れると他にも様々な天候アプリがありますが、農業専門の天気アプリほとんどないので、これから自分の圃場ピンポイントで天気予報が分かるようなアプリがリリースことを期待したいですね。