株式会社LCFARM 梅村 晃太様

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株式会社LCFARMについて

個人事業主で農業を初めて7年後、農業法人となり2021年8月で2期目となる株式会社LCFARM。

明確な目標と発生した問題に対しての的確なアプローチ、自身の反省を迅速に対応していく等、梅村 晃太代表取締役よりプロジェクターでプレゼンテーションを見せてもらいながらお話を伺いました。

代表取締役 梅村 晃太様

株式会社LCFARM

https://lcfarm.info/

Q、株式会社LCFARMの創立は何年ですか?

A、個人事業主として7年やり、2020年に法人化しました。2021年8月から2期目になります。

Q、従業員数(社員とアルバイト数、研修生の数)を教えて下さい。

A、社員が4名とパートが8名です。

Q、梅村社長が農業を始められたきっかけを教えて下さい。

A、社長になってお金を稼ぎたいと思ったからです。当時JAに勤めていたこともあり、自分に何ができるのか考えた結果、農業をすることになりました。

Q、梅村社長の経歴を教えて下さい。

A、大学卒業後にJA伊万里に資材販売係として5年間勤め、その後すぐに就農しました。新規就農研修は受けていません。

Q、株式会社LCFARMの栽培作物を教えて下さい。

A、きゅうりといちごです。

Q、株式会社LCFARMの栽培面積を教えて下さい。

A、ビニールハウスできゅうりが42a、いちごが12a、合わせて54aです。

Q、株式会社LCFARMが農業生産以外で行っている他事業について教えて下さい。

A、特にありません。

Q、梅村社長が会社を経営する中で最も気になることは何ですか?

A、人材育成です。

Q、その理由をおしえてください。

A、生産管理や販売を実践するのは人なので、従業員教育の質をもっと高めていく必要があると感じています。私の右腕を育てないと、会社の成長もある程度で止まってしまいます。

株式会社LCFARMの人材育成について

Q、株式会社LCFARMの平均勤続年数はどのくらいですか?

A、雇用を始めて2~3年なので、平均は2年くらいですね。

Q、株式会社LCFARMの従業員の平均年齢はいくつくらいですか?

A、44歳です。

Q、人材育成は上手くいっていますか?

A、雇用を始めた頃に比べると、今は上手くいっていると思います。

Q、その理由をおしえてください。

A、就農して3年目のときに、年間で11名雇ったのに2名しか残らないことがありました。私自身、人を大切にできていなかったことが原因だと思っています。その頃は休憩スペースやトイレもなく、従業員を収穫ロボットのように扱っていました。でも改善した結果、今では辞められる方はほとんどいなくなりましたし、入社してくださる方の質も上がりました。

私が大切にしていることは「安心と安定」と「不安と不満をなくすこと」の2つです。具体的には、社内ミーティングを開いたり、農業の会社では少ない人事考課制度を作ったりしています。10年働いたときに自分の給料がいくらになるか分からなかったら、自身も家族も不安になりますよね。それだと安定からかけ離れてしまうので、人事考課制度を採用しました。また、シフトの自由化もしています。出勤できない日に×を付けて提出してもらって、あとは私がシフトを組む。これで離職率が目に見えて下がりました。あとは、誕生日プレゼントをしています。この前、とある従業員の誕生日に花をプレゼントしたときに、LINEのトップ画面にしてくれていたのは嬉しかったですね。

Q、人材育成で苦労されている点について教えて下さい。

A、理念や方針の浸透がまだまだできていません。理念を失うと、目先の利益で物事を決めてしまいますから。うちの会社で働く目的を作ることが、まだできていません。

Q、人材募集は行っていますか?

A、今はしていません。

Q、人材募集はどのような方法で行っていますか?

A、基本的にハローワークです。

Q、人材採用で苦労されている点について教えて下さい。

A、いい人に当たる確率が低いので、面接する回数が多いです。最初の1、2年は「ダメだったらしょうがない」という気持ちで、来る人をどんどん雇って、辞めていく人も止めませんでした。でもそれはあまりにも失礼だと思ったので、ダメなときは「不採用」と伝えると決めました。すると、採用率は下がりましたが、勤続年数は間違いなく伸びました。

株式会社LCFARMの販売について

Q、株式会社LCFARMの主な販売先を教えて下さい。

A、きゅうりはB to Bがメインで、九州圏内の商社さんに卸しています。そこから飲食店や加工業者に渡っています。他の販売先では、量販店さんを増やしたいと思っています。だからグローバルGAPを取得するなどして、量販店さんにも出しやすいようにしているところです。

いちごはJAや地元のお菓子屋さんに出しています。また、観光農園も始めてみました。いちご農家さんって5月くらいになると忙しくなるから、ビニールハウスを1つ栽培しなくなることがあります。それを1ヶ月5万円とかで借りて、そこで観光農園をさせてもらいます。受付の人件費以外に費用がかからないので得ですね。

Q、株式会社LCFARMは直販されていますか?

A、ECサイトや、自社から運べる範囲にある保育園や飲食店に少しだけ直売しています。直売は直に声が聞けるというメリットがあるので、今後増やしていく必要があると感じています。

Q、販売面で苦労されている点はございますか?

A、きゅうりの絶対量が不足していることです。だからこちらの技術を教える代わりに、熊本県の農家さんから送ってもらっています。今後、技術力と販売力をセットでいろんな農家さんに勧めていけたらと思います。

他には販売先が偏っていることですね。加工用は単価が固定で数量もある程度買い取ってくれますが、量が多いときの押し込みがしにくい。だから量販店さんに卸して、量が多いときは特売かけてもらいたいですね。

あとはいちごの販売における方向性が不明確なことです。「私たちのいちごはこういったことを目指しています」という目標がありません。

Q、販売面で工夫されている点はございますか?

A、私は「きゅうりプランナー」という肩書で、きゅうりの企画販売をしています。加工用のサイズが通常の規格とは異なるように、商社さんの卸先である飲食店や加工業者によって、求める規格や用途が異なります。だから私たちは、商社さんの卸先に応じて独自の規格を作って栽培しています。私たちは栽培技術を持っているので、商社さんから用途を聞くだけで対応できます。おかげさまでたくさんの注文をいただいており、あと3倍ほど作らないと足りない状況です。だから養液栽培のビニールハウスを80aほど建てて、面積を3倍に増やします。そして、将来的にはきゅうりプランナーとしてきゅうりの企画販売をしつつ、きゅうりの区画を売っていきたいと思っています。

あとは価格を月や商品によって固定して、年間通して分かるようにしています。飲食店や加工業者は、価格の見える化を好みますね。

梅村代表取締役が目指す農業の未来

Q、今後の展開について考えていることを教えて下さい。

A、規模拡大・集約化・機械化の3つを目標にやっていこうと思います。規模拡大の理由は従業員の給料を上げるためと、休みやすい職場を作るためです。5人で働いていて1人休むと、1人が25%カバーする必要があります。これが8人働いている、50人働いているとなると、もっと休みやすくなりますよね。そして、オンリーワンのきゅうりカンパニーを目指していきたいです。そのために、科学的な栽培を目指します。具体的には、生育や環境、労働力の見える化をしていきます。きゅうりプランナーとしても成長していきたいです。あとは従業員さんにとってのアメニティも充実させたいです。半年ほど前にみんなで意見を出し合って、オンリーワンのきゅうりカンパニーの具体的なビジョンを共有しました。そのとき、主農場や本社工場、オフィスだけでなく、託児所や食堂があったらいいよねという話が出ました。他には販売する中で成分分析を詳しくして、身近な人や取引先に喜んでもらえたり、不満と不安を解消できたらいいなと思っています。

Q、梅村社長が考える今後の農業のあるべき姿について教えて下さい。

A、一番必要なものは変わる勇気だと思います。守るべきものは守っていくべきだと思いますが、それ以上に世の中の変化のスピードが早いので、変わっていこうとすることが大事だと思います。維持することも、変化することと変わらないくらい力は必要です。だから、どうせ同じ力を使うなら、変わっていくべきだと思います。その結果、農業自体がよくならないといけないと思います。私たちもそういった面では「農業界のために何ができるだろう」と、まだ考えているところです。

Q、梅村社長から若手農家へひとことお願いします。

A、まずは挑戦することが大切です。それと、常に目標を持って、広い視野で考えてほしいと思います。農業は生産と経営の両輪で成り立っています。作ることも大事ですけど、作るだけではいけません。

インタビューを終えて

梅村社長が短期間で実績を残されたのはなぜかと考えながらお話をお伺いしました。

販売面では自身をきゅうりプランナーと名乗り、企画力では新たな規格を作り上げ、需要を創出していく。さらに、生産面では規模拡大、そして集約・機械化・可視化、人材面ではそれらを支えるための人を大事にする。

目標目的が明確だからこそ、自社の課題を理解し、対策を立てられているのだろうと感じました。

これから規模拡大を図るにあたり、新しい壁が立ちはだかると思いますが、必ずそれらの困難を乗り越え10年後で4億5千万円という目標以上の農業法人になられていることでしょう。