センスプラウトの潅水制御装置に必要な電源設備

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ビニールハウスに自動潅水を導入するためには、電気設備を設置する必要があります。

そこで重要となるのが「電源」です。

実はビニールハウスで使える電源には、家庭用電源やソーラーパネルなどいくつかあります。そして、潅水制御装置によって使用できる電源の種類が異なります。

今回は、ビニールハウスで使える電源の紹介と、センスプラウトの潅水制御装置に使える電源について紹介します。自動潅水を導入するときの参考にしてみてくださいね。

目次

1. 圃場で使える電源の種類

2. センスプラウトの潅水制御装置には100Vか200V

3. ビニールハウスへの電気設備の設置フロー

4. 部材の紹介

5. まとめ

1. 圃場で使える電源の種類

農業用ポンプや潅水制御装置など、自動潅水に関わる機器には電気を必要とするものがたくさんあります。潅水制御装置の他にも、送風機や照明など、ビニールハウスには電気を必要とする機器がたくさんありますよね。

では、ビニールハウスで使える電源にはどんな種類があるのでしょうか。

ビニールハウスで主に使われている電源は2つです。

1つは、近くの電線から電気を引き込む方法です。電線から配電盤まで引込線を引き、そこからビニールハウスまで線を引きます。この方法では、一般家庭にあるようなコンセントプラグを電源として使用します。電圧は100Vですが、変換器を用いて200Vの電圧を使うこともできます。

もう1つの方法は、ソーラーパネルを使って発電する方法です。ビニールハウスの近くにソーラーパネルを設置、またはビニールハウスの屋根にソーラーパネルを敷き詰めて発電し、電気を引きます。地球環境にやさしい再生可能エネルギーとして、ソーラーパネルによるビニールハウス栽培を進めている企業・自治体もあります。また、余剰電力を販売することで収入を得られる、耕作放棄地の活用ができるといったメリットもあります。

一方で、農作物によっては向き・不向きがあります。導入する際はメーカーや営農センターに相談するなどして、慎重に検討しましょう。また、発電量は天候に左右されるため不安定です。そのため、蓄電池を用いていつでも電気を供給できるようにしておくと安心でしょう。蓄電池があれば、災害などの非常時では予備の電源としても活用できます。ほかにも、風が強く吹く場所ではソーラーパネルと風力発電を組み合わせている地域もあります。

2. センスプラウトの潅水制御装置には100Vか200V

センスプラウトの潅水制御装置を導入して自動潅水をしようと思ったら、100V、または200Vの電源が必要です。新しくビニールハウスを建設する場合は、業者に頼んで近くの電線から電気を引く工事をしてもらいましょう。

すでに電気設備があるのであれば、コンセントプラグに差し込んで電磁弁と接続するだけで自動潅水が可能です。この場合、業者に工事を依頼する必要はありません。工事費用が削減できるため、自動潅水を導入する予算を抑えることができます。

3. ビニールハウスへの電気設備の設置フロー

ここからは、実際にセンスプラウトの潅水制御装置を導入する際のフローを説明します。

ここで想定しているのは、既存の電気設備ではなく、新しく建てたビニールハウスへの導入です。これから自動潅水を目指す方は参考にしてみてください。

①計画を立てる

工事にとりかかる前に、まずは電気設備をどのように設置するか計画を立てましょう。近くの電気工事業者、または小売電気業者に工事を依頼します。分電盤の位置やコンセントプラグの設置個所などを決めていきます。そして図面を設計し、見積もりを行います。このとき、積極的に協議に参加することをおすすめします。自身の要望を盛り込むことで完成イメージに近づけるとともに、予算の相談もできるからです。

ちなみに、センスプラウトの潅水制御装置は、1台につき最大4つの電磁弁を接続することができます。有線接続なので、きちんと配線できるように計画しましょう。

②水道工事

計画が立て終わったら、電気工事に移る前に水道工事をします。水源から電磁弁への配管、電磁弁や潅水チューブの設置を行います。このとき、電磁弁に凍結対策をするのを忘れないようにしましょう。

③電気工事

水道工事が終わったら、いよいよ電気工事に移ります。

まずは、潅水制御装置とその隣にゲートウェイというインターネット回線を受信する機器を取り付けます。ビニールハウスに取り付けられる柱がある場合は、その柱に設置します。既存の柱に設置できない場合は、別途取付用の枠組みが必要です。このとき、必ず潅水制御装置とゲートウェイを高さ1.5m以上に設置するようにしましょう。ゲートウェイがインターネット回線をしっかり受信するためです。

潅水制御装置の設置が完了したら、配線に移ります。近くの電線から配電盤まで引込線を引いて電気を取り込みます。次にビニールハウス内にコンセントを取り付け、分電盤から配線します。コンセントはAタイプ・3口以上のものを使用し、必ず防雨BOXを取り付けましょう。コンセントが濡れてしまうと、漏電や発火の危険性がありますからね。また、200Vの電圧を使用する場合は、プラグ形状変換器を取り付けましょう。

なお、電線から分電盤まで引込線を引くのは、業者から電力会社への申請を必要とするため時間を要します。電線は電力会社の所有物ですからね。そのため、電気の引込が必要な場合は、業者から電力会社への申請を考慮して早めに依頼しておきましょう。

さて、ここまで終わると、次に電磁弁への配線を行います。電磁弁への配線では「Y字圧着端子」をコードの先端に接続する必要があります。圧着端子とは、電線の端末へ取り付けて使用する接続部品です。その先端の形がアルファベットのYの形をしているため「Y字圧着端子」といいます。電磁弁から伸びる線に加工処理をして、Y字圧着端子と接続させましょう。このとき、どの線がどの圃場かわかるように、目印をつけておくことをおすすめします。

④機器設置

最後に機器を設置し、無事に自動潅水ができるかチェックします。この④と③(分電盤以降の配線工事)は、同じ日に行うことをおすすめします。機器を設置するのと同じタイミングで、誤配線の修正や微調整がその場でできるためです。

以上が、ビニールハウスに電気設備を導入するフローになります。

余裕を持ったスケジュールを組んで、工事がスムーズに進むようにしましょう。

4. 部材の紹介

最後に、センスプラウトの潅水制御装置を導入する際に使える部材を紹介します。

〇自動散水用樹脂製電磁弁(CKD GSVシリーズ)

口径の異なる2種類の製品が販売されている電磁弁。100V・200Vともに使用可能で、自己洗浄フィルターによる目詰まり対策も施されています。

〇露出コンセント(Panasonic WK1021W)

センスプラウトの潅水制御装置を使用する場合は、コンセントは最大15Wで3口以上のものを使いましょう。こちらの商品は2口なので、2つ購入する必要があります。また、200Vの電圧を使うのであれば、プラグ形状変換器も一緒に購入しておきましょう。

〇防雨BOX(未来工業 WB-1A0型)

防雨BOXは、コンセントが水で濡れるのを防いでくれます。漏電や発火を引き起こさないためにも、必ず設置しましょう。自動潅水がトラブルなく行われるために、とても重要な部材です。

5. まとめ

今回は、センスプラウトの潅水制御装置に必要な電源について紹介しました。自動潅水を導入するとき、どんな電源に対応しているか、その電気はどこから引っ張るのかを考えることは重要です。自動潅水の要ともいえる電気設備なので、設置の際は入念な準備をしておきましょう。

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