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野菜ごとの潅水方法とホース・チューブの使い方

目次

1.潅水方法とホース・チューブの種類

2.潅水方法とホース・チューブを選ぶ時のポイント

3.野菜ごとの潅水方法とホース・チューブのご紹介

1.潅水方法とホース・チューブの種類

野菜の栽培で重要な作業の一つである水やりは、技術の進化で人の手をまったく介さず、自動で潅水できるまでになりました。特に、天水が影響しないビニールハウス栽培では潅水制御装置が活躍しています。ここでは野菜ごとの潅水方法やホース・チューブの使い方を詳しくご紹介していきます。

潅水方法の種類

潅水方法には、主に散水潅水、噴霧(ふんむ)潅水、点滴潅水の3種類があります。

散水潅水とは、文字通り雨のように水を散らして撒く方法で、広範囲に潅水することができます。ビニールハウスの上部や天井にホース・チューブを取り付けて潅水したり、地表近くにホース・チューブを取り付けて潅水したりと設置場所は様々です。他の潅水方法と比較しても、一定期間に撒くことができる水の量は多く、均一に潅水できるメリットがあります。

噴霧潅水とは、霧状に水を撒く方法です。野菜に水をやるだけでなく、ビニールハウスの中の気温や湿度を一定に保つためにも採用される潅水方法です。霧状になった水は、風の影響を受けやすいため、ビニールハウス栽培に適しています。ホース・チューブは散水潅水と同じですが、取り付けるノズルはミストノズルにしましょう。

最後にご紹介する点滴潅水は、水を無駄なく野菜に与えられる効率的な潅水方法です。穴の開いたホース・チューブを畝の間に通し、野菜の根元に1滴ずつ直接水を与えます。点滴潅水の利点は、水を無駄にすることなく効率よく野菜に与えられることです。

ホース・チューブの種類

潅水ホース・チューブには、先ほどご紹介した潅水方法にあわせて、地表潅水用、点滴潅水用、頭上潅水用の種類があります。それぞれ水が出る穴の位置が違ったり、他の部品とのジョイント位置が違ったりします。用途に合わせて選びましょう。潅水ホース・チューブの素材にはポリ塩化ビニルやポリエチレンがあります。

潅水方法とホース・チューブを選ぶ時のポイント

潅水ホース・チューブを選ぶ時のポイントは、自分が栽培する野菜が下記の分け方の中でどの区分に入るかを知ることです。水稲や果樹、花卉も潅水ホース・チューブを使いますが、今回は野菜に絞ってご紹介します。

潅水ホース・チューブの野菜別の使い方目安

・軟弱野菜(ほうれん草、水菜、ネギ等)

・葉菜類A(白菜、キャベツ、レタス等)

・葉菜類B(アスパラガス)

・根菜類(大根、にんじん等)

・果菜類A(トマト、きゅうり、なす等)

・果菜類B(スイカ、メロン)

・果菜類C(いちご)

栽培する野菜がどの区分に含まれるかが分かると、次は用途と使用場所別に潅水方法とホース・チューブを選びます。

野菜ごとの潅水方法とホース・チューブのご紹介

それでは先ほどの区分に従って潅水ホース・チューブのご紹介をしていきます。栽培のいつ、どんな場面で使いたいか、どこで使いたいか、どんなふうに使いたいかによって選ぶ潅水ホース・チューブは変わってきます。

軟弱野菜(ほうれん草、水菜、ネギ等)

軟弱野菜に区分される野菜は葉を傷つけないようにするために、噴霧潅水が選ばれます。

次に潅水方法ですが、ビニールハウスで栽培する場合「一畝毎潅水、ビニールハウス内1本、頭上潅水」の3つがあります。それぞれの用途と潅水方法に合せてホース・チューブを使います。例えば、ビニールハウス内1本布設する場合は、住化農業資材「スミサンスイRハウスワイド」がいいでしょう。

また、露地で栽培する場合は、住化農業資材「スミサンスイR露地ワイド」のような潅水幅が広いタイプを使います。

葉菜類A(白菜、キャベツ、レタス等)

白菜、キャベツ、レタスなどの野菜は、露地栽培なので、先ほどと同じように潅水幅が広いタイプのホース・チューブを使います。潅水幅10mほどはあるワイドタイプがお勧めです。

葉菜類B(アスパラガス)

アスパラガスは他の葉菜類と分けてご紹介するのは、ビニールハウス栽培でも用途が点滴潅水と、葉に水を与える葉水があるためです。点滴潅水の場合は、点滴潅水用のホース・チューブを使います。

一方、葉水の場合は、アスパラガスは背が高くなる植物なので、頭上から噴霧潅水をしましょう。

根菜類(大根、にんじん等)

次にご紹介するのは根菜類の潅水方法とホース・チューブです。根菜類は露地栽培でマルチを張って栽培するので、潅水はマルチ下にホース・チューブを通して行います。その場合、水が出る穴に土が詰まるのを防ぐために、穴が0.2~0.5mmほどの大きさのものを選びましょう。

また、とくににんじんの露地栽培は噴霧潅水がおすすめです。

果菜類A(トマト、きゅうり、なす等)

夏野菜を中心としたトマト、きゅうり、なすは、露地でマルチを張って栽培します。そのため、株元潅水やマルチ下の潅水方法が適しています。

株元潅水する場合は、住化農業資材のストリームライン80等の点滴潅水用のホース・チューブを使いましょう。マルチ下の潅水は根菜類と同じく、穴に土が詰まるのを防ぐために花が0.2~0.5mmほどの大きさのものを選びましょう。

果菜類B(スイカ、メロン)

果菜類Bに区分しているスイカやメロンは、果菜類Aの白菜、キャベツ、レタス等と同じように点滴潅水やマルチ下で潅水を行います。

農業資材メーカーによってはスイカ、メロン専用の潅水ホースを開発・販売していますので、そちらを選ぶことをおすすめします。

果菜類C(いちご)

最後にご紹介する果菜類Cのいちごは、ビニールハウス栽培の場合でも育苗潅水と定植の潅水とで使用するホース・チューブが異なります。まず、育苗中は、ミストノズルをつけたホース・チューブで噴霧潅水するか、潅水幅1.5mほどのホース・チューブを使った小面積毎の潅水をします。

その後、定植時の潅水は、一畝毎またはハウス内1本布設、ハウス内両サイド、頭上潅水の方法があります。ホース・チューブは、一畝毎の場合は潅水幅が狭いもの、ハウス内1本布設の場合は潅水幅が広いもの、ハウス内両サイドの場合は高所に設置できるもの、頭上潅水の場合はミストノズルが付けられるものをおすすめします。

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