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潅水機器・資材のメンテナンス方法と耐用年数を紹介

目次

1.潅水機器・資材のメンテナンスの重要性

2.潅水機器・資材の正しいメンテナンス方法

3.潅水機器・資材の耐用年数

4.まとめ

潅水機器・資材のメンテナンスの重要性

潅水機器・資材をはじめ、農業器具を長期間使用するためにはメンテナンスが必要です。
特に、農業機械や潅水装置などは初期投資が比較的高く、複数台導入すると投資回収するには数年かかる場合があります。

管理やメンテナンスを怠った場合、潅水ホースの経年劣化により水漏れが起き、修理やホースの交換などに余計に費用がかさんでしまうことがあります。

また、潅水機器のメンテナンスを怠った圃場では、植物が伸び放題になったり枯死したり、害虫の発生や根詰まりが起きたりします。

特にこの伸び放題になった植物による妨害を防ぐことは、メンテナンスの最も重要なポイントです。
成長の激しい植物では、隣地への伸長、潅水装置の電線・コードへの巻き付きなど、思わぬトラブルを引き起こします。

メーカー側もトラブルの危険がある場所への潅水装置の導入を避けることがありますが、それでも問題が起きてしまうことがあります。
問題を発生から防ぐためにも、これからご紹介する正しいメンテナンス方法を実践してみてくださいね!

潅水機器・資材の正しいメンテナンス方法

ここからは具体的に潅水機器・資材の正しいメンテナンス方法をご紹介します。

潅水システムの導入サービスを利用して、ビニールハウス栽培や露地栽培を大規模に行う場合には、システムもそれなりに大規模になります。

このような場合には、潅水システムの導入サービス内にメンテナンスサービスが組み込まれていることもありますが、そうでなくともメンテナンス内容を事前に把握しておくことが重要です。
この具体的なメンテナンス内容は、①季節に合わせた潅水タイマーの設定 ②タイマーの動作確認 ③排水溝、ドレンホース周りの清掃の3つがメインです。
それぞれどのようなことをするのかご紹介します。

季節に合わせた潅水タイマーの設定

潅水システムはIT技術の発達によって、潅水時間を事前に設定しておけば、どこにいても遠隔で潅水できるようになりました。
近年では、この潅水予約設定をスマホ一つで行えるようになり、難しい取扱説明書を読み解く必要もありません。
そのため潅水タイマーは、自分でもメンテナンス・設定することができます。

また、AIなどを利用する自動潅水システムを導入すれば、これまで1日4~5時間かかっていた潅水も、自動的にこまめに潅水することができるようになりました。
夏は頻度を高め、冬は潅水頻度を少なくするのが一般的ですが、栽培環境や栽培作物によっても異なりますので、自分の農場に合ったメンテナンス・設定を行ってください。

タイマーの動作確認

タイマーの動作確認とは、設定した時間に散水されているかどうかを目視することでできます。
もし、設定した時間に潅水されない、ずれた時間に潅水されるなどの問題があった場合は、設備やシステムに不具合があります。
どこに不具合があるかが分からなかったら、無理せずすぐにメーカーに問い合わせましょう。
また、いつも通り散水されなかった場合は、ホースに穴が開いているかホースがねじれている等のホースに問題がないかを確認しましょう。
ホースに不具合がなかったら、設備やシステムに不具合がありますので、メーカーに問い合わせることをお勧めします。

排水溝、ドレンホース周りの清掃

ドレンホースとは、潅水設備やエアコンなどを稼働している時に、設備の中に溜まった排水を外の排水溝に届けるホースのことです。
常に水に触れていて、屋外に設置されたホースは、腐食したり苔が生えたりしてしまいます。
また、最初にご紹介したように伸び放題になった植物がホースに巻き付いてしまい、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。
そのため、ドレンホース周りは年に数回清掃することをお勧めします。

潅水機器・資材の耐用年数

次にご紹介するのは潅水機器・資材の耐用年数についてです。耐用年数とは、「その資産の使用可能期間」のことです。
例えば、耐用年数が5年であれば、5年にわたって減価償却費を計上する必要があります。
この耐用年数は、通常の維持修繕を行うことと、本来の目的で資産を使用することを前提として、税務上で「法定耐用年数」が設けられています。
また、耐用年数は同じ農業機器・資材でも種類によって3年~20年と異なります。

潅水機器や潅水装置を含む栽培管理用器具については、この耐用年数が7年間と決まっています。
他に潅水に関連する資材として、農用井戸やかんがい用配管の耐用年数は20年、鉄管造のビニールハウスの耐用年数は14年です。

潅水機器・資材の維持修繕

資産の維持修繕は、耐用年数に関係するだけでなく、資産を安心・安全に長期間使用することを目的としています。
潅水機器・資材の維持修繕は、前述のメンテナンス方法に加えて、消耗品の取り換えと故障の原因を知ることが大切です。

まず、潅水機器・資材で使われる消耗品として、潅水ホースや潅水チューブがあります。
それらを定期的に手入れしていても、いつかは劣化してしまうでしょう。耐用年数期間を安心・安全に使用するためにも消耗品の定期的な取り換えは大切です。
次に、故障の原因ですが、自然故障・初期不良が主な原因です。メンテナンスや定期的な消耗品の取り換えを行っていても防ぐことが難しい場合があります。
それ以外の原因は、人的ミスによる故障やいたずらによる故障、天災・経年劣化による故障が考えられます。
人的ミスやいたずらは細心の注意を払うことである程度防ぐことができますが、天災・経年劣化はしっかりと防ぐことが難しいでしょう。
近年では、大雨などの異常気象や大型台風の上陸など、天災による被害はさらに悪化しています。
大雨前の対策や、設備を導入する際にこのような天災による被害を想定して対策をしておく必要があるでしょう。

まとめ

これまで、潅水機器・資材を長く安心・安全に使うために正しいメンテナンスや耐用年数を把握しておくことの重要性をご紹介しました。
正しいメンテナンスは、①季節に合わせた潅水タイマーの設定 ②タイマーの動作確認 ③排水溝、ドレンホース周りの清掃の3つを中心に行いましょう。
また、潅水機器・資材の耐用年数は7年ですが、資産の種類によって異なりますので、農業用資産耐用年数表等を参考に確かめてみてくださいね。

農業用資産耐用年数表

http://www.city.shinjo.yamagata.jp/s004/080/010/taiyounennsuu-2.pdf

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