SenSprout(センスプラウト)

レモン栽培における潅水作業のコツと注意点

レモンはジュースなどの飲み物にも使われる人気の果物です。この記事では、レモン栽培における潅水作業のコツと注意点について解説していきます。

目次

1.日本のレモン栽培

2.レモン栽培のポイント

3.潅水作業のコツと注意点

4.まとめ

1.日本のレモン栽培

1)レモン栽培の歴史

レモンはミカン科ミカン属に属する柑橘類の果物です。

原産はインドのアッサム地方で、「10世紀半ばの時代にはすでに食用としての栽培がはじまっていた」といわれています。

日本で栽培が広まったのは、明治時代初頭に静岡県の熱海市にある温泉に湯治に来ていた外国人が、滞在する宿の庭先に種子を播いたのがきっかけで、現在は瀬戸内海沿岸の地域を中心に様々な品種が栽培されています。

主な生産地は、広島県、愛媛県、和歌山県、宮崎県、三重県の5県で、クエン酸やビタミンCなど私たち人間が健康を維持していく上で重要な栄養も多く含みます。

※参考1

都道府県別生産量ランキング(2018年)

1位:広島県(2326.5トン)

2位:愛媛県(1731.1トン)

3位:和歌山県(530.5トン)

4位:宮崎県(161.4トン)

5位:三重県(140.5トン)

※参考2

可食部100グラムに含まれる栄養成分の量

・エネルギー(43キロカロリー)

・水分(85.3グラム)

・たんぱく質(0.9グラム)

・脂質(0.7グラム)

・炭水化物(12.5グラム)

・灰分(0.6グラム)

・トリアシルグリセロール当量(0.2グラム)

・ナトリウム(4ミリグラム)

・カリウム(130ミリグラム)

・カルシウム(67ミリグラム)

・マグネシウム(11ミリグラム)

・リン(15ミリグラム)

・鉄(0.2ミリグラム)

・亜鉛(0.1ミリグラム)

・銅(0.08ミリグラム)

・マンガン(0.05ミリグラム)

・セレン(1マイクログラム)

・モリブデン(1マイクログラム)

・βカロテン(7マイクログラム)

・βクリプトキサンチン(37マイクログラム)

・αトコフェロール(1.6ミリグラム)

・γトコフェロール(0.1ミリグラム)

・ビタミンB1(0.07ミリグラム)

・ビタミンB2(0.07ミリグラム)

・ナイアシン(0.2ミリグラム)

・ビタミンB6(0.08ミリグラム)

・葉酸(31マイクログラム)

・パントテン酸(0.39ミリグラム)

・ビオチン(1.2マイクログラム)

・ビタミンC(100ミリグラム)

・脂肪酸総量(0.18グラム)

・飽和脂肪酸(0.05グラム)

・一価不飽和脂肪酸(0.02グラム)

・多価不飽和脂肪酸(0.11グラム)

・単糖当量(2.6グラム)

・水溶性食物繊維(2グラム)

・不溶性食物繊維(2.9グラム)

・食物繊維総量(4.9グラム)

・n-3系多価不飽和脂肪酸(0.04グラム)

・n-6系多価不飽和脂肪酸(0.07グラム)

・ラウリン酸(1ミリグラム)

・ミリスチン酸(2ミリグラム)

・ペンタデカン酸(1ミリグラム)

・パルミチン酸(40ミリグラム)

・ヘプタデカン酸(1ミリグラム)

・ステアリン酸(6ミリグラム)

・アラキジン酸(2ミリグラム)

・ベヘン酸(1ミリグラム)

・パルミトレイン酸(2ミリグラム) 

・リノール酸(69ミリグラム)

・αリノレン酸(39ミリグラム)

・ぶどう糖(1.5グラム)

・果糖(0.7グラム)

・しょ糖(0.4グラム)

・リンゴ酸(0.1グラム)

・クエン酸(3グラム)

・フェルラ酸(7ミリグラム)

2)日本で栽培されている品種の一例

・ユーレカ種

世界で最も多く栽培されている国際的な品種。柔らかい果肉とジューシーな食感が特徴。アメリカ・カリフォルニアの太平洋沿岸地域、オーストラリア、イスラエルなどで栽培されている。

・リスボン種

耐寒性・耐暑性に優れた品種。酸味が強く果汁量が多いのが特徴。アメリカ・カリフォルニアの内陸部やアルゼンチンで栽培されている。

・ビラフランカ種

1921年に導入されたシチリア原産の品種。広島県の主力品種として知られる。アレンユーレカや​石田系リスボン、道谷系ビラフランカなど様々な改良品種がある。

2.レモン栽培のポイント

苗木の植え付け

(1)ホームセンターや小売店、インターネットで販売されている苗木を購入する。(3年生以上の苗木がおすすめ)

(2)日当たりと水はけの良い場所を選び、苗同士の間隔を6メートル以上あけ、植え付ける。(3月~4月頃)

(3)深植えにならないよう、接ぎ木の部分が土から出るように調整する。

(4)緩効性の肥料を施す。

栽培管理

(1)葉の数に対して花が多すぎる場合には、蕾を間引いてしまう。

(2)夏以降に咲いた花の実は、冬を乗り越えられず、大きく育たないことが多いので、春に咲いた花の実をメインに育てる。

(3)果実が大きく成長する時期に入ったら追肥を施す。(6月と9月)

(4)混み合っている部分の小さな枝をすべて剪定する。

(5)「前年に実をつけた枝」や「枯れ枝」、「葉のない枝」もすべて剪定する。

(6)新しい枝を残しておくと、翌年の春に花が咲き実がなるので、春に伸びてきた枝は切らないようにする。

(7)アブラムシ、アオムシ、カミキリムシなどの害虫に注意する。

(8)実が多くなり過ぎている場合は摘果する。(7月~8月頃)

(9)下の方に付いている小さな実から順に摘み取る。

(10)ひとつの果実に対し25枚の葉が目安。

(11)冬にマイナス3℃を下回る地域では、樹木全体を不織布で覆うなど防寒対策をしっかりと行う。

(12)1年生や2年生など幼い苗を購入して植え付けると、収穫まで3年以上かかるケースがある。

収穫作業

(1)収穫適期は10月頃。

(2)実の色が緑から黄色へと変わる途中が収穫のタイミング。

(3)緑色の状態のものを収穫してグリーンレモンとして味わうのもよし。

(4)剪定ばさみやナイフなどを使用して実の軸を切り取る。

(5)トゲが生えている品種もあるため、怪我をしないよう手袋を付けて作業する。

3.潅水作業のコツと注意点

レモンは乾燥を嫌う農作物です。

そのため、植え付けから1年~2年の間は十分な水分を与えていく必要があります。

特に成長が盛んな夏の時期は、より多くの水分を必要としますので、水を切らさないよう、毎日、潅水作業を行うようにしてください。

なお、日本のレモンを栽培する生産者の中には、潅水作業を省力化するための手段として、潅水制御装置という設備を利用している生産者がいます。

潅水制御装置とは、水源の水を汲み上げる「ポンプ」、ポンプで汲み上げた水を運ぶ「パイプ」、潅水作業を実行する「潅水チューブ」等で構成された農業用の設備のことで、露地栽培向けとハウス栽培向けの2つがあります。

潅水制御装置の中にはレモン栽培に適した資材も数多くありますので、ぜひ導入を検討してみてください。

また、当社が開発したSenSprout Pro潅水制御システムを使用すれば、インターネットを利用して、潅水作業を遠隔から制御できるようになります。

家庭菜園から大規模農業まで幅広く使える製品になっていますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

SenSprout Pro潅水制御システム

https://sensprout.com/ja/irrigationcontrolsystem-2/

4.まとめ

レモンは庭先での栽培など家庭菜園でも作れる人気の果物です。レモン栽培にチャレンジする際は、ぜひこの記事を参考に潅水作業を行ってみてください。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Exit mobile version