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セロリ栽培における潅水作業のポイントと注意点

セロリはサラダなど私たちの食卓に多く並ぶ人気の農作物です。この記事では、セロリ栽培における潅水作業のポイントと注意点について解説していきます。

目次

1.日本のセロリ栽培

2.セロリ栽培の手順

3.潅水作業のポイントと注意点

4.まとめ

1.日本のセロリ栽培

1)セロリ栽培の歴史

セロリはセリ科オランダミツバ属に属する葉菜類の野菜です。

原産地は地中海沿岸の地域で、ヨーロッパの山岳地帯に自生していた植物を栽培したのがきっかけと言われています。

日本に伝わったのは18世紀に入ってからで、伝わってしばらくは、その独特の香りから、広く一般に普及するまでには至りませんでしたが、昭和30年代を迎えると食生活の洋風化を背景に、少しずつ食べられるようになっていきました。

現在の主な生産地は長野県、静岡県、福岡県、愛知県、香川県の5件で、私たち人間が生きていくために必要な栄養も多く含むことがわかっています。

※参考1

2019年度都道府県別生産量ランキング

1位:長野県(1万3400トン)

2位:静岡県(6080トン)

3位:福岡県(3450トン)

4位:愛知県(2920トン)

5位:香川県(955トン)

※参考2

可食部100グラムに含まれる栄養成分の量

・エネルギー(15キロカロリー)

・水分(94.7グラム)

・たんぱく質(0.4グラム)

・脂質(0.1グラム)

・炭水化物(3.6グラム)

・灰分(1.0グラム)

・飽和脂肪酸(0.02グラム)

・不飽和脂肪酸(0.03グラム)

・食物繊維(1.5グラム)

・カロテン(44マイクログラム)

・ビタミンE(0.2ミリグラム)

・ビタミンK(10マイクログラム)

・ビタミンB1(0.03ミリグラム)

・ビタミンB2(0.03ミリグラム)

・ビタミンB6(0.08ミリグラム)

・葉酸(29マイクログラム)

・パントテン酸(0.26ミリグラム)

・ビタミンC(7ミリグラム)

・ナトリウム(28ミリグラム)

・カリウム(410ミリグラム)

・カルシウム(39ミリグラム)

・マグネシウム(9ミリグラム)

・リン(39ミリグラム)

・鉄(0.2ミリグラム)

2)主な品種

・コーネル種

 日本で一般的に食べられている品種。長さ40センチ程度まで成長する。クセの無い味が特徴。

・グリーンセロリ

葉茎全体が緑色の品種。過去に日本にも持ち込まれたがクセが強く好まれなかった。強い香りが特徴。

・ホワイトセロリ

水耕栽培専用の品種。みつばに似た形をしている。一般のセロリよりも香りが少ないのが特徴。

・ミニホワイト

ホワイトセロリの早生品種。別名ミニセロリとも呼ばれる。スープやサラダの彩りに向いている。

・キンサイ(芹菜)

東洋系統の在来品種。別名チャイニーズ・セロリとも呼ばれる。一般的には中国野菜の1つとして扱われている。

2.セロリ栽培の手順

露地栽培

種まき・育苗

(1)育苗箱に育苗用の培土を入れる。

(2)深さ3~5センチのまき溝を掘る。

(3)掘ったまき溝に種を5~6粒まく。

(4)5ミリ程度の高さで覆土する

(5)水やりをする。

(6)育苗箱全体を不織布などで覆う

(7)本葉が3~4枚生えたら農業用ポットに1本ずつ植え替える。

(8)本葉が7~9枚生えたら定植する。

土づくり・定植

(1)定植2週間以上前に苦土石灰を1平方メートル当たり150~200グラム施して深く耕す。

(2)定植1週間前に化成肥料を1平方メートル当たり約150グラム、堆肥を1平方メートル当たり4~5キログラム施して、再びよく耕す。

(3)幅60センチ・高さ10センチの平畝を整形する。

(4)定植用の穴を掘る。(株間30~40センチ・2条植え)

(5)苗を植えた農業用ポットに水をたっぷり含ませる。

(6)農業用ポットから苗を抜き、掘った穴に植える。

(7)水やりをする。

(8)穴あきのマルチシートで畝全体を覆う。

栽培管理

(1)定植後1週間~20日が経過したら、月2回のペースで追肥する。(化成肥料を1平方メートルあたり50~100グラム)

(2)定植後約30日が経過したら、わき芽や枯れた下葉をかき取る。(わき芽や枯れた下葉が残っていると栄養が株全体に回らなくなるため。)

(3)取り除いたわき芽や下葉はスープの材料などに使うことができるため、必要な場合はとっておく。

(4)アブラムシ、キアゲハ、ヨトウムシ、軟腐病、葉枯病などの病害虫に注意する。

(5)生育適温は15~20℃。

収穫作業

(1)草丈が30~40センチ位に成長したら収穫する。

(2)茎全体を束ねて掴み、ナイフや包丁を使用して丁寧に切り取る。

(3)外葉を食べる分だけをかき取って収穫するのもよし。

プランター栽培

土づくり・定植

(1)ホームセンターや種苗店で販売されている苗(農業用ポット)を購入する。

(2)幅60センチくらいの深型のプランターを用意する。

(3)プランターに野菜用の培養土を入れる。

(4)定植用の穴を掘る。

(5)農業用ポットに水をたっぷり含ませる。

(6)農業用ポットから苗を抜き、掘った穴に植える。

(7)水やりをする。

栽培管理

(1)定植後1週間~20日が経過したら、10日に1回のペースで追肥する。(市販の液体肥料)

(2)定植後約30日が経過したら、わき芽や枯れた下葉をかき取る。(わき芽や枯れた下葉が残っていると栄養が株全体に回らなくなるため。)

(3)取り除いたわき芽や下葉はスープの材料などに使うことができるため、必要な場合はとっておく。

(4)アブラムシ、キアゲハ、ヨトウムシ、軟腐病、葉枯病などの病害虫に注意する。

(5)生育適温は15~20℃。

収穫作業

(1)草丈が30~40センチ位に成長したら収穫する。

(2)茎全体を束ねて掴み、ナイフや包丁を使用して丁寧に切り取る。

(3)外葉を食べる分だけをかき取って収穫するのもよし。

3.潅水作業のポイントと注意点

セロリは乾燥に弱い農作物です。

そのため、発芽~収穫前の時期までは土が乾燥しないよう、こまめに潅水作業を行っていく必要があります。

しかし、収穫直前の時期に水分を与え過ぎると、病気(軟腐病など)の発生を招く恐れがありますので、十分に注意してください。

ポイントは水はけの良い場所で栽培し、株周りの風通しをできるだけ良くしておくことです。

なお、日本のセロリを栽培する生産者の中には、潅水作業を省力化するための手段として、潅水制御装置という設備を利用している生産者がいます。

潅水制御装置とは、水源の水を汲み上げる「ポンプ」、ポンプで汲み上げた水を運ぶ「パイプ」、潅水作業を実行する「潅水チューブ」等で構成された農業用の設備のことで、露地栽培向けとハウス栽培向けの2つがあります。

潅水制御装置の中にはセロリ栽培に適した資材も数多くありますので、ぜひ導入を検討してみてください。

また、当社が開発したSenSprout Pro潅水制御システムを使用すれば、インターネットを利用して、潅水作業を遠隔から制御できるようになります。

家庭菜園から大規模農業まで幅広く使える製品になっていますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

SenSprout Pro潅水制御システム

https://sensprout.com/ja/irrigationcontrolsystem-2/

4.まとめ

セロリは生育期間が長く育てるのが難しい農作物です。しかし、潅水作業のポイントを抑えておけば、初心者でも十分に栽培が可能です。セロリ栽培にチャレンジする際は、ぜひこの記事を参考に潅水作業を行ってみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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