SenSprout(センスプラウト)

自動潅水装置の各社導入総額とスペックを比較紹介

目次

1. 農業の機械化と変化する導入時の価格構造

2. ①センスプラウト

3. ②ゼロアグリ

4. ③サンホープ

5. 自動潅水装置導入時に使える補助金

1. 農業の機械化と変化する導入時の価格構造

潅水は農業において作物の成長に欠かせない作業の一つです。しかし、人の手だけで潅水をすると、1日平均4時間もの時間がかかっていました。この課題を解決するために、より効率的に、精密に潅水を可能にする装置が開発されてきました。現在は、潅水装置の蛇口の開閉をスマートフォンでできるようになり、1日にかかる潅水時間は1時間未満になりました。

しかし、いくら作業効率が良くなるとは言え、農業においては機械導入やビニールハウスの新設をすると、投資回収が他業界と比べて2〜3年多く見積もらなければいけません。また、天候の影響を受けビニールハウスが倒壊しても1/3しか保険が適用されず倒壊後は補助金も適用外、などと言った外部要因で経営が大きく左右されます。

近年では、そうしたリスクにも備え、農業関連機器・装置でも買取りモデルだけでなく、リースモデルやサブスクリプションモデルも増えています。2019年に流行ったサブスクリプションは、お試しとして低コストで潅水の効率化を試すこともできます。

ここでは、自動潅水装置を販売している3社について、装置の導入総額とスペックを比較紹介していきます。

2. ①センスプラウト

始めにご紹介するのはセンスプラウトの潅水装置の導入総額とスペックです。センスプラウトの製品は、遠隔で簡単操作できる灌水制御システムです。いつでもどこでも遠隔で、スマートフォンやパソコンから潅水作業の予約・管理ができ、圃場に行くまでの時間も削減することができます。また、複数人で管理できるため、いつ・どこで・どれくらい灌水されたかの履歴も取得することができます。1台の灌水制御装置は最大4台の電気弁とつながっており、個別に4棟のハウスを管理できます。既存のビニールハウスに設置できるため、特別な付帯工事は必要ありません。

さらに、センサーシステムと連携することで、土壌水分の状態も把握することができ、適切なタイミングで適量潅水することが可能です。

センスプラウトの灌水制御装置はクラウドサービスを利用するため、機能が継続的にアップデートされていきます。

灌水制御装置のスペック

【SenSprout Pro 潅水制御装置】

・外形寸法:315mm(W) × 384mm(D) × 167mm(H)

・質量:3580(g)

・防水規格:IPX3(防雨型)

・電源電圧:AC100V又は AC200V

・消費電力:15W

・出力:DC24V電圧出力(4系統)

・周波数:50Hz/60Hz共用

・許容電圧変動範囲:AC100~240V

・使用温度範囲:0℃~50℃

・使用湿度範囲:35%RH~85%RH

・取付け方法:壁面固定

・生産国:日本

灌水制御装置の導入総額

  買取りモデル サブスクリプションモデル
販売価格 348,000円 5,000円〜/月
オプション ・専用電気弁4台の場合:一式448,000円 ・専用電磁弁4台の場合 一式 20,000円/月 ・専用電磁弁8台の場合40,000円/月
設定代行 ・関東圏・九州エリア訪問:30,000円 ・の他エリア訪問:50,000円 ・関東圏・九州エリア訪問:30,000円 ・の他エリア訪問:50,000円
クラウドサービス利用料 現在無料サービス中(2021年1月現在) 現在無料サービス中(2021年1月現在)
インターネット通信費 費用込み 費用込み

※税抜き表示

https://sensprout.com/irrigationcontrolsystem-2/

3. ②ゼロアグリ

次に、ゼロアグリの潅水制御システムの導入総額とスペックをご紹介します。ゼロアグリとはAI潅水施肥ロボットであり、1日の蒸散量から潅水量を計算し、人の手では難しい精密な少量多潅水を実現できます。10分ごとに圃場の状態をデータとしてクラウドに送信し、AIが計算処理する仕組みです。また、圃場の状態とは、土壌水分だけでなく日射量も感知して、できる限り植物にとって水分ストレスの無い状態を保ちます。また、1台の装置で最大6系統までを個別に管理することができます。管理項目には、水分以外にEC値、日射量、地温があります。さらに、作物の生育ステージに合わせて液肥灌水の濃度調整も自動で行われるので、作業の効率化にはかなり有効です。

また、センスプラウトと同様にスマートフォンやパソコンで遠隔操作できるため、いつでもどこでも潅水の管理・調整することが可能です。

AI潅水施肥ロボットのスペック

【AI潅水施肥ロボット】

・寸法:H350×W350×D150mm

・動作温度:0〜60℃

・動作湿度:0〜80%(ただし結露しないこと)

・定格使用電圧:AC100V(50Hz、60Hz)

・消費電力:最大20W

・系統数2次電磁弁:最大6系統

・表示部:LEDランプ(水、養液、1~6電磁弁)

・重量:約6kg

・通信規格:3G

・土壌水分センサー延長距離:最大400m

AI潅水施肥ロボットの導入総額

  買取りモデル サブスクリプション モデル リースモデル
制御盤・センサー 販売店より見積もり。 例:20a相当の圃場で125万円 ミニマムプランで 月額35,000円〜 販売店より見積もり。 例:7年払い148万円の場合、月額2.2万円
クラウド構築・初期設計費用 初回購入時のみ 250,000円 サブスク料金に含む   リース料金に含む
クラウド利用料 年間120,000円 ※季節や導入台数により割引あり サブスク料金に含む   年間120,000円 ※季節や導入台数により割引あり

https://www.zero-agri.jp/price_plan.html

4. ③サンホープ

最後にご紹介するのは、サンホープの電池式潅水タイマーの導入総額とスペックです。サンホープは、ビニールハウスの上部に潅水パイプを設置できない、通路に潅水パイプを設置できない、そんなビニールハウスでの潅水に便利な潅水ホースやスプリンクラーを販売しています。ホースやスプリンクラーと同様に長年、中小規模の農家に愛用されているのが、サンホープの「電池式潅水タイマー」です。1台につき、1個の電池でタイマー設定できるので、電源設備のない圃場でも簡易に潅水タイマーを設置することができます。センスプラウトやゼロアグリのようなクラウドでプログラム制御する潅水装置も登場していますが、低コストで手軽に始めたい人にはサンホープがおすすめです。

その電池式潅水タイマーが、近年リニューアルされ、Bluetoothが搭載されました。Bluetoothの無線を通じて、スマートフォンにインストールした専用アプリで潅水を管理することができるようになりました。

電源設備やWi-Fiのない圃場でも遠隔で潅水を管理したい方にはおすすめです。

電池式潅水タイマーのスペック

【電池式潅水タイマー/ DC7E-BT25】

・取り付け部口径:25mm

・最大流量:50L/min

・使用圧力:0.05〜1MPa

・通信方式:Bluetooth 4.0

・出力:5mW

・通信距離:見通し5m

・専用アプリ:Apple iOS7以降、Android Android4.3以降

電池式潅水タイマーの導入総額

・電池式潅水タイマー/DC7E-BT25:1台29,370円〜

・電池式潅水タイマー/DC7E-BT50:1台56,900円〜

・電池式潅水タイマー/DC11E-BT:1台13,800円〜

https://www.sunhope.com/products/kansui_timer.html

5. 自動潅水装置導入時に使える補助金

これまで各社の自動潅水装置の概要や導入総額、スペックをご紹介してきました。自動潅水だけでなく、今後スマート農業を推進させるには、まとまった投資をしなければいけません。自動潅水に関しては、「ITの導入」「経営の安定」「環境にやさしい農業」などの切り口から補助事業の申請ができると考えられます。例えば、IT導入補助金は、補助率が1/2のため、150万円の装置を導入する場合、75万円が補助されます。

補助金は申請期間がありますので、定期的に調査することをお勧めします。農林水産省が提供する逆引き事典は補助金や助成金の検索ができますので、ぜひ使ってみてください。

逆引き事典:https://www.gyakubiki.maff.go.jp/appmaff/input

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