あじろあすぱらについて
今までのインタビューでは農業法人の方へのお話をお伺いしてきましたが、今回は農業に携わる一つの形である兼業農家として、自身の仕事を続けつつ、ご家族の協力のもと農業をされているあじろあすぱらの古賀正文様にお話をお伺いいたしました。
あじろあすぱら
古賀 正文様
Q、あじろあすぱらの創立は何年ですか?
A、就農して5年になります。
Q、従業員数(社員とアルバイト数、研修生の数)を教えて下さい。
A、家族で作業をしています。母と妹、妻、私の4人です。
Q、古賀様が農業を始められたきっかけを教えて下さい。
A、元々父親が農業をしていましたが、5年前に亡くなりました。そのときに、せっかくあるものだから活かしたいと思って就農しました。小さい頃から嫌々手伝いをしていましたが、就農すると農業がおもしろくなりましたね。
Q、古賀様の経歴を教えて下さい。
A、学校を卒業して、愛知県の印刷会社に4年間勤務していました。その後佐賀県に戻ってきて、農業を手伝いながら今の会社(印刷業)に就職しました。
Q、あじろあすぱらの栽培作物を教えて下さい。
A、アスパラガスと玉ねぎです。
Q、あじろあすぱらの栽培面積を教えて下さい。
A、18aです。50mのビニールハウスが6棟あります。
Q、あじろあすぱらが農業生産以外で行っている他事業について教えて下さい。
A、ありません。
Q、古賀様が会社を経営する中で最も気になることは何ですか?
A、販売戦略です。
Q、その理由をおしえてください。
A、おいしいアスラパガスを新鮮なまま食べてほしいからです。
あじろあすぱらの販売戦略について
Q、あじろあすぱらの主な販売先はどちらですか?
A、JAさんと道の駅です。
Q、あじろあすぱらは直販されていますか?
A、現在食べチョクに登録しようとしているところです。登録に向けて、梱包の入れ物を作成しています。ネット直販を始めて、もう少しビジネスを広げていきたいですね。
Q、販売戦略において苦労されていることはありますか?
A、道の駅はあまり売れません。JAは全量買い取りが嬉しい反面、他の農家さんと一緒になってしまうのが悩みです。私たちの認知度を上げる取り組みができればいいのですが、全然できていません。
Q、販売戦略において工夫されていることはありますか?
A、ロゴを作って、道の駅に出荷するときに他の生産者と差別化するようにしています。だから他の生産者よりは売れていますし、道の駅のお客さんから注文が入ることもあります。また、贈答用の箱もデザインしています。
あじろあすぱらの生産管理について
Q、農業生産していて一番苦労した点は何ですか?またどのように解決されましたか?
A、天災ですね。いいものができているときに限って台風がきます。去年はかなり勢力の強い台風がきました。対策のためにハウスのビニールを剥がしていましたが、劣化のため途中で破けてしまいました。そこに風が直撃して、圃場にかなりのダメージを受けました。ほかの対策としては、ハウスバンドをするなど、一般的な対策をしています。
Q、農業生産において独自で工夫されていることはありますか?
A、前は自分たちでぼかし肥料を作っていました。ただ、作る時間を確保することが厳しいため、今は購入しています。
Q、現在、農業生産において困っていることはありますか?
A、兼業農家なので、作業時間の制約があります。いかに負担なく作業できるかということを考えています。特に夏場は暑さで日中の作業ができないので大変ですね。
Q、解決に向けて取り組んでいることはありますか?
A、部会の経験豊富な方にお話を聞いて、その方の圃場を見に行っています。部会は年配の方が多いので、たくさんアドバイスをいただけます。
古賀様が目指す農業の未来
Q、今後の展開について考えていることを教えて下さい。
A、6次化をしていきたいです。アスパラガスは茎を切るので、それがフードロスになってしまいます。だからパウダーやチップにして、クッキーや焼き菓子に混ぜて使えるようにしたいですね。今すぐやるというよりは、もう少し勉強してから取り組もうと思います。
Q、古賀様が考える今後の農業のあるべき姿について教えて下さい。
A、専業でも兼業でも、やり方はいろいろあります。いろんなことと上手く並行して農業ができれば、農業の裾野はもっと広がると思います。
Q、古賀様から若手農家へひとことお願いします。
A、興味あることにどんどんチャレンジしてほしいと思います。今は農業体験など充実しているので、いろいろ体験して、そこで興味が湧いたものにチャレンジしてほしいですね。
インタビューを終えて
古賀様はお父様がお亡くなりになったことがきっかけで兼業農家への道を歩まれました。
当初、農業にはそれほど興味がなかったとのことですが『やってみたら面白い!』と感じられ、今ではネット販売や6次化へのチャレンジなど、農業の道を突き進んでおられます。
ご夫婦にお話をお伺いしましたが『農業は面白い』を前面から感じられるインタビューとなりました。 農業の一つの形として参考になれば幸いです。